伊勢神宮 斉王の宮

伊勢神宮で泊まった旅館は「斉王の宮」という2年前に建てられたばかりの新しい旅館。王朝文化をモチーフにした旅館は随所にセンスの良さをうかがわせる優雅なホテルだ。施設の素晴らしさは非の打ち所がないが、スペインに住むこと10年の筆者が感動したのは施設の素晴らしさではない。この旅館のもてなしの素晴らしさだ。本当に心から感動したのでここに書き留めておきたい。

旅館につくと、ロビーで宿泊者登録をする合間、袴を着た従業員の女性がお抹茶にお茶菓子を添えてもてなしてくれた。その女性が旅館の説明をする間、膝を折り、常に私より低い目線で話していたことに気づいた。従業員全員に教育が行き届いていて、どの人も感じがよく、とても低姿勢だ。

通された部屋は清潔で茶の間があり、ここで2度目のウェルカム・ティーをいただいた。清清しい畳のにおいにつつまれた茶の間で煎茶を味わう。冷たい水を買わなくちゃ、と思っていたら、「冷蔵庫にございます冷水・お茶・コーヒーは全て無料です。どうぞご利用ください。」ありがたい。

ベッドは新しい畳の匂いのする畳の上におかれ、ベールに包まれ、それはまさしく王朝時代のお姫様の世界。少し横になると、極楽、極楽。












各部屋についている露天風呂もすぐに入れるよう準備、温度設定されていた。浴室のアメニティの充実さは世界一ではないだろうか。

種類豊富な中から自分の好きな柄の浴衣(ゆかた)を選ぶことができる。日頃着ることのないピンクを選んだ。このサービスもなかなかあるようでないサービスだ。

そして、夕食前に、本日3回目のお茶のおもてなし。夕食前はちゃんとカフェイン抜きのほうじ茶。別に尋ねもしなかったけれど、きっとよく眠れるようにとの気遣いだろう。絶妙なタイミングでお茶が出てくる。ありがたい。

そして夕食は庭園を見ながらの食事。少しずつ日が暮れていく様子を見ながらの食事は風情があり、出された懐石料理は一品一品が手のこんだ、本当に素晴らしいもの。器の美しさにもうっとり。懐石料理というと量は少なめなはずだが、この旅館の懐石料理はおなかいっぱいに。

名物、伊勢海老。そして、抹茶塩・桜の花塩で食べる旬の野菜・魚のてんぷら。てんぷらの具材を選ばせてもらえて、その場で揚げたてをもってきてくれた。衣が極薄で美味。初めて食べた抹茶塩のおいしさに感動。


美味しかった旨を伝えると、料理長補佐さんがわざわざ挨拶に出てこられた。そして食事を終えて部屋に戻ろうとすると若い料理人の人が「これはお夜食です」といって、押し寿司を差し出すではないか。完全に期待を超えたサービスにすっかり感動しきってしまった。

サービス世界一の日本。そのサービスも千差万別。本当に心に届くサービスを受けた時の感動は忘れられないものである。ここまで思いやりのあるサービスを、さりげなくできる宿が世界中にどれだけあるだろうか。


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